業務終了後、課長が小走りに駆け寄ってきた。
か「こっちから誘っておいて悪いんだけどさ、ちょっと緊急で打ち合わせが入ったから先に近くのお店に入っておいてよ。場所は携帯のメールで知らせてくれれば終わり次第行くからさヾ(;´Д`)ノ」
適当に時間を潰して場所チェック。絶対に変な空気になると思うのでなるべく人が多くて騒がしいところを選択w
当然慰留しようとしてくるんだろうなぁ。気が重い。。。
店に入って30分は経ったころだろうか。
課長到着。
部長とともにwwwwww
あなたサシ飲み言いましたやん (´Д`;)
か「ごめんねぇ遅くなって。部長をお待ちしてたからさぁ(`・ω・´)」
あなたの打ち合わせではなかったのかね?( ̄□ ̄;)
ドン。
部長着席。
ぶ「○○君(課長)から聞いたよ。うち辞めて海外の会社に転職するんだって?」
「はい。正確には日系企業の現地法人にです。」
ぶ「なんだ、おれはてっきり外資に行くのかと思ってたよ。どこの国に行くの?」
「タイのバンコクです。」
ぶ「へー。また何でタイなの?」
「いや、特にこの国ってのはなかったんですけど、とにかく海外で働いてそして生活してみたくて。」
ぶ「じゃあなに、別にうちの会社辞めなくてもいいじゃん。うちだって現地法人ならたくさんあるからな。」
「もう今だから言いますけど、実は社内公募制度を利用して3回ほど海外事業部の選考を受けてました。結果はダメでしたけど。」
ぶ「3回ってことは最低でも1年半以上前からってことだな。辞める理由はそれだけか?」
「はい。単純ですがそれだけです。30歳を前にチャレンジしたいと思いました。」
ぶ「あれ、もうそんな年か。じゃあ話は簡単だな。うちの海外事業部へ異動して海外赴任できれば会社を辞める理由は無くなるわけだ。」
ぶ「おれの同期が今イギリスで支社長をしていてね、人を増やしたいけど赴任してもいいって人間がなかなかいないってこのまえボヤいてたよ。」
ぶ「明日、△△さん(事業部長)経由で××さん(執行役員)に掛け合ってみるよ。うちの事業部から人材が流出することには変わりないけどさ、辞められるくらいなら希望する部署に異動させてやって引き続き会社に貢献してくれる方が100倍マシだしな。」
あれ?なに、この展開(・д・。)
ぶ「ただし仮にOKだとしてもすぐにって訳じゃないからな。組織として根回しとか、あと色々あるからな。それと異動後もすぐに赴任できるわけじゃないぞ。人事はタイミングだからな。だから100%は保障はできない。でももし思い留まるってことなら上に話を上げてみてもいいぞ。」
なるほど、そういうことねw
小さい会社ならいざ知らず結構な規模の会社だ。普通に考えて一社員の退職を思い留まらせるためにそこまでできないだろう。ましてや自分は役職も何も付いてない無いペ-ペ-だ。要はやりましたけどダメでした、ゴメンね(・ω<)てへぺろ、ってのが関の山か。
「ご配慮頂きありがとうございます。でももう決めたことですし、今確実に海外で働ける状態にある以上考えを変えるつもりはないです。」
か「そんなにすぐに返事しなくてもいいじゃない。せめて1週間くらいはよーく考えてみてよーヾ(・ω・`;)ノ」
ここにきてやっと課長の発言ww
「いえ。本当に自分なりにしっかりと考えて出した結論ですので。生意気と思われるかもしれませんが。」
部「いやー、そこまで真剣に考えてたなんてまったく知らなかったよ。でもさ、せめて返事は今じゃなくて明日にしてもらえるかな?変わらないって言ってるけど帰ってから寝る前にでももう一度だけよく考えてみてよ。提案した方としては即答されるとちょっと悲しいなぁw」
「はい。分かりました。では明日改めてお返事をさせてください。」
部「おーけぇー!ていうか海外に転職するって思い切ったことするなぁ。転職活動ってどうやってやってたの?全然想像もできないな。その辺の話ちょっと詳しく聞かせてよ(・∀・)」
とまぁこんな感じであとは部長からひたすら質問攻めにあっていた。質問攻めとは言っても単純に部長の興味本位だったので少し変な感じだが、なんだか友人や先輩と話している気分になれた。今まで誰にも相談してこなかっただけに、この場ですべて話すことができたことでおかげで不思議と気持ちが軽くなった気がした。
と同時に、やはり自分の気持ちが変わらないことも再確認できた。
もうあとは前に進むのみだ。