2015年10月24日、タイで日本人4名が覚醒剤の所持でタイ警察に逮捕されたというニュースが飛び込んできました。
ご存知無いという方は少なくないかとは思いますがタイで薬物を所持していた場合、所持量や所持目的にもよるらしいですが有無を言わさず極刑となります。たとえ冤罪であったとしても知り合いは当然のことながら、日本大使館職員や弁護士等にも取り次いでもらえないと思っていた方がいいと思います。タイで有名な日系フリーペーパーの連載コーナー「南獄手記」で執筆している方も、タイで薬物所持で捕まり懲役30年で刑務所に収監され現在も服役中みたいです。
今回のケースは明らかな売買目的だと思うので当人たちも承知の上でのことでしょうが、タイに住む我々、もしくはタイに旅行で来られる方も意図せずとも事件に巻き込まれる可能性もありますので十分注意しましょう。
在タイ日本大使館のウェブサイト上でも注意喚起が出ています
犯罪傾向「違法薬物所持・使用」タイ警察は、タイ国内、特にバンコク都内観光スポット、繁華街や有名ビーチリゾート等において、覚醒剤、麻薬、大麻等違法薬物犯罪の取締り・摘発を行っております。最近の例では、空港で見知らぬ人から荷物を預かり、警察から所持検査を求められたところ、違法薬物を所持していたため、逮捕されたという事件が発生しています。違法薬物を所持していた場合、「他人から中身を知らされずに預かった。」、「違法薬物とは知らなかった。」等の弁解は通用しません。販売目的所持で起訴された場合、殺人罪よりも厳しい罰則(死刑、終身刑、50年の懲役刑等)が科されます。見知らぬ人から「不審な荷物」を預かったりしないように十分注意してください。
実際、最近も、タイから第三国に向かい、到着時に、違法薬物の所持で現地の官憲に逮捕されるケースが複数件発生しています。
※タイ警察は、薬物売人を利用した「おとり捜査」を実施していますので、街角で販売している不審なクスリに興味本位で手を出さないで下さい。
空港で見知らぬ人から荷物を預かり、警察から所持検査を求められたところ、違法薬物を所持していたため、逮捕された
いやいや、こんなの常識でしょーって思ってるあなた。
これ結構咄嗟のことだと断れないもんですよ。私も、「こんなの常識でしょー、空港で見知らぬ人の荷物預かるとかどこの情弱だよw」って思ってました。
実は私、実際に空港で他人の荷物を一瞬(10秒くらい)ですが預かってしまったことがあります。(お前だけだよアホとか言わないでねw)
そのときはこんなシチュエーションでした。
場所はスワンナプーム国際空港の出発ゲート付近です。今はたぶんやってないと思うのですが昔は出国手続き後に2回の荷物検査がありました。1回目は出国審査直後で、2回目は各出発ゲートの手前らへん。
その日私は日本への一時帰国のため、出国審査と1回目の荷物検査を終え自分が乗る飛行機の出発ゲートへ向かっていました。2回目の荷物検査が行われている場所までやってきたところ、大きな荷物を2つ持った1人の20代前半くらいの日本人女性に声をかけられました。
「すみません!持込できる手荷物容量を完全にオーバーしているのでもしよかったらこちらの荷物1つ持っていただいて一緒に荷物検査のゲートくぐって頂けませんか??」
持って一緒にくぐってくれといわれた荷物は、以下のような洋服の仕入れとかやっているタイ人がよく大量に担いでるカラフルなやつです。
たぶん私が怪訝そうな顔をしていたんだと思います。
そりゃそうです。海外で、しかも空港で知らない人から荷物を預かるなんて常識知らずもいいところですからね。
「薬物とかやばいものなんて一切入っていませんから安心してください。なんなら今この場で床の上に袋の中身全部並べてもいいですから」
「中身は全部こっちで買い付けた雑貨とかです。輸送すると関税とかかかる物もあるから全部ハンドキャリーしてるんです。」
「一緒にそこのゲートくぐってくれるだけでいいんです。お願いします!」
そのときはなんか断ると悪者になるような気がして結局はゲートを一緒にくぐってしまいました。ほんの10秒くらいですが。
最終的には「女性がすでに一回目の荷物検査を終えていること」と「一緒にゲートをくぐる」っていう言葉と女性がかわいかったのが私の判断を誤らせたんだと思います。
結果から言うと何もなかったのですが、今思うとゾッとしますね。
だって本当に中に何が入っているか分からないですから。頭では絶対に断らないといけないって分かっていても実際にその場になると、しかも日本人から頼まれると冷静な判断がつかなくなるものです。(私だけ?w)
薬物じゃなかったとしても、買い付けした商品が実は禁制品(象牙とか)だったりしたらその場で捕まりますからね。
というわけで在住者のかたも旅行者のかたも十分に気をつけてください!
空港じゃなくても街中でもです。特に街中の場合には警官を装った詐欺師が横行していますのでこちらも注意が必要です。