タイ現地採用の待遇。
みなさんが想像するタイ現地採用の給料って一体どのぐらいだろうか。
タイトルにもあるように、私は敢えて「給料」ではなく「待遇」という言葉を使いたい。
そう。現地採用の場合は提示された給料の多寡によってすべてが決まるわけではないのだ。
そこでまず初めに、 日本で就職するのと海外で現地採用として就職する場合の、給与・待遇の差について知ってもらいたく、以下のとおりそれぞれを簡単にまとめてみた。人によって差はあるだろうがあくまで私と、私の周りの友人、知り合いの例をもとに作成したものなので参考までに。
ちなみに以下は、日本・タイともに日系企業で働いた場合の例だ。
日本で日系企業に”正社員”として就職した場合
■ 給与
■ 賞与(夏・冬の年2回、年間平均で給与の6ヶ月分程度だろうか)
■ 健康保険(医療費3割負担)
■ 労災保険(業務中の災害や事故による怪我や死亡した場合の保障)
■ 雇用保険(条件を満たせば失業時に一定期間失業保険がもらえる)
■ 厚生年金基金
■ 企業年金基金(※会社によりけり)
■ 退職金積立制度
■ 各種手当て(住宅手当、通勤手当、残業手当、家族手当、出産手当等)
■ その他(会社の保養所施設が格安で利用可能、特別優待等)
タイで日系企業に”現地採用”として就職した場合
■ 給与
■ 賞与(基本的に年1回、給与の2~3ヶ月分というところが一番多い気がする。会社によっては1ヶ月分固定だったり、ゼロのところもある。)
■ 医療保険(会社によりけり。私が知る限り、企業負担でローカルの医療保険に加入してくれるところがほとんど。)
※医療保険についての詳細は別途、次エントリーにて。
■ プロビデントファンド(通称、退職金積立制度。会社によってはこの制度を導入していないところもある。)
※プロビデントファンドについての詳細は別途、次エントリーにて。
■ 各種手当て(基本的に手当ては無いと思っていた方がよい。)
■ その他(年に1回の日本帰国の飛行機代、外国人向け私立病院での人間ドック代負担等。基本的には無いところがほとんど。)
このように、日本で正社員として就職した場合には当たり前だと思っていたさまざまな福利厚生が、タイで現地採用として就業する場合には存在しないケースがほとんどだということをまずは知っておいて頂きたい。
私の場合は上記の待遇+僅かではあるもののいくつかの手当てを頂いており、タイ現地採用の待遇の平均よりは恵まれていると思っているのだが、なかには毎月の給与のみで、ボーナスはおろか医療保険無し、プロデントファンドも未加入といった待遇を提示してくる企業も決して少なくないということもまた1つの事実である。
つまりタイで現地採用として職を探す場合、給料の多寡だけで待遇の良し悪しを判断するのはあまりにも安直で、知らないうちに大きな経済的損失を招いてしまう可能性があるということを分かって頂けただろうか。
もちろん、給与が20万も30万バーツも貰えるのであれば保険なんて自分で加入すれば解決だし、プロビデントファンドなんて無くても自分でしっかり貯金すれば済むことだ。帰国チケット代の負担も極端な話、毎月帰国しても余裕だろう。
けれども、そんな給与をタイで現地採用としてもらっている人はそれこそ何かしらの非凡な能力がある方だろうし、一朝一夕でその立場を確立したわではなく、おそらくほんの、ほーーーーんの一握りの人だけだから、タイに来たばかりの人がそんな妄想をしても仕方がない。
ということで、次回のエントリーではこの給与以外に関する待遇のうち、
「医療保険」 と 「プロビデントファンド(退職金積立制度)」
この2つの福利厚生に焦点を当ててもう少し詳しく紹介していきたいと思う。
みなさんがもっとも気になっているであろう肝心の給与の話については、そのあとで記事にする予定だ。今回のエントリーでは、一言で待遇と言っても給与以外にも考慮すべきことが色々あるんですよ、ということが伝われば幸いだ。