タイ現地採用の2大福利厚生その2、プロビデントファンド(退職金積立制度)

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民間医療保険への加入と並ぶタイ現地採用の2大福利厚生のもう1つ、プロビデントファンド。退職金積立制度という言い方をしている企業がほとんどだが、日本で言う「企業型確定拠出年金(日本版401k)」のようなものだと思って頂けると分かりやすいだろう。

制度概要は以下のとおりだ。

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雇用者と被雇用者が毎月半分ずつ基金を積み立てる。

毎月の積立額は給与の2~15%の間で任意で選択することができる。雇用者の拠出額は被雇用者のそれと同額もしくはそれ以上との決まりがあるため、通常は被雇用者の積立額は3%、5%等、あらかじめ雇用者側で限定されている場合がほとんど。私の知る範囲では3~5%がほとんど。15%に設定している企業は1社だけ知っているが日系ではない。

後述する制度詳細の説明のために、前者を「①自己積立分元本」、後者を「②会社積立分元本」と呼ぶことにする。

積み立てた基金は運用され、その運用収益も受け取ることができる。

積み立てた基金はプロのファンドマネージャーが市場で運用し、その運用収益+元本(①、②)の合計を受け取ることができる。

積み立てた基金は退職時以外は途中で引き出すことはできない。

ここで言う退職とは、いわゆる定年退職(55歳以上)のみならず会社都合・自己都合等の中途退職も含まれる。ちなみに①については100%受給権を即時に有することができるが、②及び運用収益については、雇用者・被雇用者間であらかじめ設定されたルールに基づいて受給可能な額が変動する。

例) 勤続年数が
1年未満 → 0%
1年以上3年未満 → 30%
3年以上5年未満 → 60%
5年以上 → 100%

など。

※この②及び運用収益の受給権に関するルール(期間)については、意図して不当にならない範囲で企業独自での設定が可能である。

転職した場合には次のファンドへのポータビリティが可能。

中途退職(転職)の場合で次の就業先もプロビデントファンドを導入している場合、これまでに積み立てた基金を受け取らずに次のファンドへ引き継ぐこと(ポータビリティ)が可能。

※引継ぎ可能な基金は上述したルールに基づく。もちろん①については100%引継ぎ可能。


はっきり言おう。

この制度への加入が福利厚生の1つとして用意されている企業とそうでない企業とでは、

勤続年数が長くなればなるほど生涯賃金にはっきりとした違いが現れる。

それはそうだ。毎月の給与の3~5%を会社側が自動的に積み立ててくれるから当たり前といえば当たり前か。

さらに実は積立期間が一定以上となると、①の自己積立分元本、②の会社積立分元本、加えて①、②の運用益についても 非課税 となるのだ。

具体的に次のケースで比較してみよう。

計算がややこしくなるので転職については一切考慮せず、1つの会社に定年の55歳まで勤め上げることを前提とする。また純粋にプロビデントファンド有無の比較をすることを目的としているため、その他の条件(勤務開始年齢、給与等)はまったく同じとする。 共通条件は以下のとおり。

■ 勤務開始年齢は30歳。定年退職は55歳。

■ 30~55歳までの平均給与は月15万バーツ。(計算しやすくするためにボーナスは無しとする)

■ 計算しやすくするために所得税は一律20%とする。

それではプロビデントファンドに加入してくれる会社に勤めるAさんと、未加入の会社に勤めるBさんとで生涯賃金を比較してみる。

なおAさんの勤める会社のプロビデントファンドへの拠出額は、Aさん、会社ともに給与の5%、ファンドマネージャーによる運用益は年間平均3%とする。


★ Aさんの税引き後の年収

→  (150,000-7,500)×0.8×12ヶ月=136.8万バーツ ・・・ (1)

(1) が25年分なので、136.8万×25年=3,420万バーツ ・・・ (2)

★ Aさんのプロビデントファンドの受給額

1年目の積立+運用額 : (7,500+7,500)×12ヶ月×1.03=185,400
2年目の積立+運用額 : (185,400+(7,500+7,500)×12ヶ月)×1.03=376,362
3年目の積立+運用額 : (376,362+(7,500+7,500)×12ヶ月)×1.03=573,053



25年目の積立+運用額 : (6,382,668+(7,500+7,500)×12ヶ月)×1.03=約676万バーツ ・・・ (3)


★ Aさんの生涯賃金

→ (2) + (3) = 約4,100万バーツ

続いてBさんの場合を計算してみる。


☆ Bさんの税引き後の生涯賃金

→  150,000×0.8×12ヶ月=1,440万バーツ

同じく25年分なので、1,440万×25年=3,600万バーツ

Aさん(ファンド加入有り)とBさん(ファンド未加入)の生涯賃金の差は、、、、

なんと約500万バーツ(約1,500万円)!!(;゚Д゚)

バンコクで結構良いコンドを購入できるほどの差が出るのだ。

ちなみに毎年の運用益は低く見積もって平均3%とした。

もしもこれが5%だとしたら、、、


その差は約700万バーツ(約2,100万円)!! 
ナニ━━(;゚Д゚);゚Д゚);゚Д゚);゚Д゚)━━イィッ!!!

ちょっと郊外に行けば2ベットルームのコンドが2つ3つ買えますね。

これまで、現地採用の待遇と題して給与以外に関する福利厚生、特に医療保険と今回紹介したプロビデントファンド(退職金積立制度)について自分なりに知っている範囲で記事にしてきた。

はっきり言って文章だけでは伝えきれない部分がまだまだある。

実際に自分がタイで就職活動をしたときには福利厚生に関してはほとんど意識していなかった、というかまったく知識がなかったので意識すらできなかった。事前に何人もの方にメールでコンタクトを取っていたにも関わらずだ。

私がお世話になることに決めたC社の福利厚生が恵まれていたから良かったものの。。。 (´・ω・`)

これまでの数回の記事を通じて、給与以外でも考慮すべき大事なことがあるということを、これからタイで働こうと思っている方に少しでも知って頂けたとしたら幸いだ。

さて次回からはいよいよ、このブログを見に来ている方が一番知りたい・興味があるであろう、 タイ現地採用の給与についての記事を書いていきたいと思う。

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